ニューヨークBiz、CEO兼発行人、高橋克明氏と彼の新書(C)写真:ニューヨークBIZ提供
自らが証明 - アメリカン・ドリームは存在する
北米最古の週刊邦人紙「ニューヨークBiz」のCEO兼発行人であり、これまでにトム・クルーズ、デイビッド・ベッカム、北野武、樹木希林など1,100人以上の世界の著名人を取材、インタビュアーとして活躍されている、高橋克明氏にお話を伺った。
また、高橋氏は日本国内で講演会も行なっており、毎回チケットは完売。2018年11月11日は渡米記念18年目を迎え、ロスと東京にもオフィスをオープンし、そして2019年11月11日には書籍も全国の書店にて販売予定である。(現在アマゾン先行予約受付中:https://www.amazon.co.jp/dp/4893089242)益々今後の活躍が期待できる海外在住、日本人実業家の一人であろう。
インタビュー2からの続き
J:今後の目標/展望?
T:今、日本の若い子たちにとって、アメリカは全く特別ではなくなっていますよね。僕らが90年代はグローバルという言葉がもてはやされ、グローバル化、グローバリゼーションという感じでしたが、今は逆にローカリゼーション志向になっていて、出版社の方のお話を伺ったところ、現在「あなたはここにいるだけで大丈夫」というような本が一番売れているらしいです。「自分を大切に」「与えられた場所で花を咲かせましょう」などで、「どこかに行きましょう」、「スキルアップをしましょう」という本は売れず、「今のままで大丈夫」というのがベストセラーだそうです。
J:そうなんですか?!(驚)私も海外生活が長く全く日本の現状を把握していませんでした(汗)
T:(笑)それを出版社の方から聞いた時、じゃ、僕だけは空気を読めないヤツと思われてもいいから、「ナンバーワンより、オンリーワンだけど、でもとりあえず、ナンバーワンを目指してみないか」的なアプローチをとって、例え一定期間でもいいのから、その若い子たちにとって、全く特別じゃないアメリカに勝負に来来たいと思わせられる仕事ができたらいいと思います。僕らの時代って、まだアメリカン・ドリームが存在し、こっちに来て、稼いで、一攫千金でオープン・カーに乗って、金髪の姉ちゃん隣に乗せて、みたいな。今の20代のインターンにその事を言ったらダサいっと言われました(笑)
J:今の子たちは他に何を求めているんでしょう?
T:ネットでつながる環境に、スモールオフィスで、自分たちだけでできるもので、安定しているものであれば、それが一番スマートだと思っているんですね。
J:その安定したものというのは、何でもいいんでしょうか?
T:もちろん、今の子たちにも好きなものはあるとは思いますが、わざわざ外に出て、勝負しようとか、人とぶつかろうという風潮は少ないように感じます。ニューヨークに住む人は、いっぺん勝負しようとか、自国の内戦から亡命してきたり、差別、カースト制から逃れてきてる人がいっぱいいて、それに比べると日本は、基本的に失敗して帰ってきてもあんな恵まれた土壌はないというか、「大丈夫、ナンバーワンより、特別なオンリーワン」と言ってくれる国ですね。
それに対して時代に逆行しているとか、時代遅れだとか言わない方がいいらしいですが、そこはあえて、「それでも勝負してみないか」「行動してみないか」っと、北米じゃなくてもいいから世界に目を向けてもらえるきっかけを作っていきたいと思っています。
そして、ソーシャルメディアの普及により多くなっているのが、ただ「ニューヨークにいる」という事がブランディングになっていて、ハッシュタグをつけて「自分がいる」という事を強調したいのかもしれないですが、誰でもニューヨークにいることはできます。でも実際に自分が労働ビザを取得し、働いて税金を納める段階になって、現実はとても厳しいので帰ってしまう人も中にはいます。それはそれでいいんですが、帰るときに必ずニューヨークの悪口を言って帰るんです。それはちょっと危険な気がしました。
インタビューは以上。
高橋氏のFB投稿から『おっしゃれぇなレストランや、スタイリッシュな建築物や、キラキラしたミュージカルはこの街の魅力のほんの一部にすぎません。キラキラして、ドロドロして、そして変動していくー。そんなこの街の”本質”を書き綴っていきます。』
とおっしゃる通り、ニューヨークのほんの表面的な部分だけを見て、来てしまって失望する人も少なくないとは思う。筆者も2001年にロンドンへ移住するまでは10年間ニューヨークに在住し、その厳しさを体感してきた。高橋氏のインタビューを通し、20年前、30年前と現在とでは日本人そのものが変化し、海外日本人在住者との価値観や温度差もあるという事を知ることができた。確かに留学や海外生活は、すべての人に適している事ではないが、もし高橋氏がインタビューした1、100人のような成功者になりたいと思うのであったら、自分の人生のある時期に、死に物狂いで頑張れる何か見つけるのも、決して悪い事ではない。
取材当日、高橋氏は体調不良にも関わらず、筆者のニューヨーク滞在が限られていることを大変考慮して頂き、このインタビューは実現した。約3時間にも及ぶインタビューにも忍耐強くお付き合い頂き、海外在住者だから感じている「日本国外から見た今の日本人」に対する意見を共有し、そして同じ英語圏であり、人種の坩堝といわれるニューヨークとロンドンの違いもお話しすることができた。この場を借りて、このような機会を与えて頂けた事に、心より御礼申し上げたい。
出版本のための写真撮影時の高橋克明氏(C)写真:ニューヨークBIZ提供
高橋克明(たかはし・よしあき)
全米邦字新聞「ニューヨーク BIZ」 (www.nybiz.nyc/) CEO 兼 発行人、インタビュアー。
専門学校講師の職を捨て、27歳単身あてもなくニューヨークへ。ビザとパスポートの違いも分からず、幼少期の「NYでジャーナリスト」の夢だけを胸に渡米。現在はニューヨークをベースに邦字新聞を発行する傍ら、インタビュアーとして、過去ハリウッドスター、スポーツ選手、俳優、アイドル、政治家など、1,100人を超える著名人にインタビュー。人気インタビューコーナー「ガチ!」(nybiz.nyc/gachi)担当。日本最大のメルマガポータルサイト「まぐまぐ!」で「NEW YORK摩天楼便り」絶賛連載中。極真空手USA エグゼクティヴ・プロデューサー、
特定非営利活動法人ジェン JEN 理事も務める。オフィシャルHP:http://yoshiakitakahashi.nyc/
NYに挑戦する著名人インタビューサイト「ガチ!」は「ニューヨーク BIZ」のアンケート人気調査で4年連続1位を獲得。(www.gachi-usa.com)
2018年まぐまぐ大賞第一位コラム部門受賞 3年連続大賞
『「世間の評価より、自分の書きたい事を」っていう権利を得たと思っている』本人のFBより
近年では ニューヨーク大学、ボストン昭和女子大学、他、日本各地で世界に飛び出したい人材を対象に講演会、セミナーを行っている。
高橋氏の過去のインタビュー実績
〈ハリウッドスター〉
トム・クルーズ/レオナルド・ディカプリオ/ジャッキー・チェン/ユアン・マクレガー ほか
〈アーティスト〉
B'z/SMAP/嵐/YOSHIKI-XJAPAN-/HYDE/MISIA/AKB48/モーニング娘。/May J ほか
〈俳優〉
北野武/渡辺謙/米倉涼子/長澤まさみ/役所広司/仲代達矢/本木雅弘 ほか
〈アスリート〉
デイビット・ベッカム/松井秀喜/安藤美姫/錦織圭/エメリヤエンコ・ヒョードル/魔娑斗/長州力/宮里藍/ほか
カンヌで賞をとった「万引き家族」が全米で公開、樹木希林さんとの生前インタビューをされてる。(リンク)